
知っておきたい「長期損害保険契約」
- 過去の制度と長期損害保険契約
近年、耳にすることが少なくなった「長期保険料控除」という制度を覚えていらっしゃいますか?これは、加入期間が10年以上で満期時に返戻金がある特定の保険契約について、支払った保険料の一部を所得から控除できるというものでした。この制度の対象となった保険契約こそが「長期損害保険契約」と呼ばれています。
長期損害保険契約は、火災保険や自動車保険などの損害保険のうち、10年以上といった長期にわたる保障を提供する商品でした。これらの保険商品は、保険期間中の万が一の際に備えるという本来の保険の役割に加えて、満期時には一定の金額が返戻されるという貯蓄性の高い一面も持ち合わせていました。そのため、長期的な視点で家計を守る手段として、多くの方に選ばれていました。
しかし、2010年の税制改正によって長期保険料控除は廃止となり、それに伴い長期損害保険契約の販売も終了しました。現在では、新規に契約することはできません。一方で、過去に契約した長期損害保険契約は、契約内容に基づき満期まで保障が継続されます。
もし、ご自身やご家族が過去に加入した保険契約の中に、長期損害保険契約に該当するものがあるかどうかを確認したい場合は、保険証券の内容を確認するか、契約先の保険会社に問い合わせてみてください。