
事故と保険:過失相殺とは?
- 相殺二つの債権を消滅させる
法律用語で「相殺」とは、二人の間で、一方が他方に対して同種類・同額範囲内で債権を有している場合に、その債権を対当額で消滅させることを指します。簡単に言うと、お互いに借金をしている状態の時、それぞれの債権を差し引き、少ない方の債務と相殺することで、支払い手続きを簡略化できる制度です。
例えば、AさんがBさんに10万円の貸金債権を持っていて、同時にBさんもAさんに対して5万円の貸金債権を持っているとします。この場合、AさんとBさんの間で相殺が認められると、Aさんの債権は5万円に減り、Bさんの債権はゼロになります。
相殺は、当事者の一方的な意思表示によって認められる場合と、当事者間で合意によって認められる場合があります。また、裁判上の請求によって認められる場合もあります。
相殺は、当事者間の債権債務関係を整理し、支払いを簡素化するというメリットがあります。また、一方の当事者が債務を弁済できない場合でも、相殺によって債権を回収できる可能性があります。
しかし、相殺は、当事者の一方の不利益になる場合もあるため、その要件や効果については、法律で厳密に定められています。相殺に関するトラブルを避けるためには、事前に専門家に相談するなどして、十分に注意する必要があります。