特定保険業

法律に関すること

認可特定保険業者:特定保険業からの移行

2011年5月13日、保険業界にとって大きな転換点となる出来事がありました。この日、保険業法の一部改正が施行され、それまで存在していた『特定保険業』という形態が廃止されたのです。特定保険業とは、特定の団体や組合などが、その構成員だけに限定して保険事業を行う形態を指します。 特定保険業は、一般的な保険会社とは異なり、営利を目的とせず、構成員がお互いに助け合う相互扶助の精神に基づいて運営されてきました。例えば、特定の職業従事者や同業者の団体、あるいは地域住民の組織などが、構成員の病気や事故、火災などに備えるために、独自の保険制度を設けているケースが多く見られました。 長年にわたり、特定保険業は、構成員にとって身近で、掛金が割安な保険を提供する存在として、重要な役割を担ってきました。しかし、近年、少子高齢化や社会構造の変化に伴い、特定保険業を取り巻く環境は厳しさを増していました。例えば、構成員の減少や高齢化による保険金の支払増加、運営の効率化の遅れなどが課題として指摘されていました。 そこで、保険制度の安定化と利用者の保護を目的として、保険業法の改正が行われ、特定保険業は廃止されることとなりました。 この改正により、特定保険業は、一般的な保険会社へと移行するか、事業を廃止するかを選択することになりました。多くの特定保険業は、長年にわたり築き上げてきた構成員とのつながりや地域社会への貢献を重視し、保険会社として新たなスタートを切りました。