標準報酬月額

年金に関すること

厚生年金と定時決定:知っておきたい基礎知識

{「定時決定」とは、従業員の厚生年金保険料を計算する上で欠かせない制度です。厚生年金保険料は、毎月の給与を基に算出される「標準報酬月額」を元に決められます。標準報酬月額は、給与の変動にかかわらず、毎年4月から翌年3月までの一年間固定されます。しかし、昇給や賞与などがあると、実際の給与と標準報酬月額との間に差が生じることがあります。例えば、4月に昇給があった場合、昇給後の給与は高くなりますが、標準報酬月額は3月時点の給与を基に計算されているため、実際の給与よりも低くなってしまいます。このような場合に、より実態に即した標準報酬月額を決定するため、厚生労働大臣が毎年行う見直しが「定時決定」です。定時決定は、毎年7月に行われ、9月分から翌年8月分までの標準報酬月額が改定されます。定時決定によって標準報酬月額が改定されると、それに伴い厚生年金保険料も変更になります。
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年金を理解する: 平均標準報酬月額とは

- 年金計算の基礎老後の生活を支える大切な公的年金。その年金額は、加入期間や保険料納付状況、そして「平均標準報酬月額」によって決まります。この「平均標準報酬月額」は、簡単に言うと、加入者がこれまで受け取ってきた給与のおおよその平均額を指します。会社員や公務員であれば、毎月の給与から厚生年金保険料や共済組合等の掛金が天引きされていますが、この保険料は給与に比例して決まります。つまり、長い期間、高い給与を受け取ってきた人ほど、より多くの保険料を納めていることになります。年金は、この納められた保険料を基に、加入者一人ひとりの状況に応じて計算され、老後の生活資金として支給されます。そのため、平均標準報酬月額が高いほど、受け取れる年金額も高くなる傾向にあります。年金制度は、現役世代が納める保険料を、その時の高齢者に年金として支給する「世代と世代の助け合い」によって成り立っています。将来受け取る年金額は、これまで納めてきた保険料の総額だけでなく、将来の経済状況や社会保障制度の変更によっても影響を受ける可能性があります。
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算定基礎届とは?従業員と事業主を守る重要な仕組み

- 算定基礎届の役割健康保険や厚生年金保険は、病気や怪我、老後の生活で私たちが経済的に困窮することなく、安心して暮らせるよう支える重要な役割を担っています。これらの保険の保険料や給付額は、被保険者の収入を基に計算されます。しかし、実際にもらう給与は、残業時間や賞与などによって変動するのが一般的です。そのため、その都度、保険料や給付額を計算し直していては、事務処理が煩雑になるだけでなく、保険料が安定せず、家計の負担が大きくなってしまう可能性も考えられます。そこで、一年間の収入を予測し、保険料や給付額を計算するための基準となるのが「算定基礎届」です。 毎年一回、事業主が被保険者の前年の収入を基に、その年の収入を予測し、所定の様式に記入して、日本年金機構に提出します。この算定基礎届によって、保険料や給付額が一年間固定されるため、被保険者は安心して生活を送ることができます。また、事業主にとっても、事務処理の負担軽減につながるというメリットがあります。算定基礎届は、私たちが安心して暮らしていく上で、欠かせない重要な制度と言えるでしょう。