
企業価値を守るERMとは?
{企業リスクマネジメントは、略してERMと呼ばれ、組織が抱えるあらゆる危険を組織全体で把握し、対処していくための仕組みです。従来の組織やリスクの種類ごとに個別に対応する縦割りのリスク管理とは異なり、経営戦略と連携させながら、会社全体としてリスクを見極め、管理することで、企業価値を高めることを目指します。
具体的には、財務上の損失リスクだけでなく、法令違反や事故、災害、評判の低下といった、あらゆるリスクを網羅的に洗い出し、その影響度や発生確率を分析します。そして、リスクの回避、軽減、移転、保有といった対応策を検討し、最適な対策を講じます。
ERMを導入するメリットは、リスクへの対応能力が高まり、損失を最小限に抑えられるだけでなく、経営の透明性や意思決定の迅速化、そして企業全体の競争力強化にもつながります。
近年、企業を取り巻く環境は、グローバル化や技術革新、自然災害の増加などにより、ますます複雑化し、不確実性が高まっています。このような状況下において、ERMは企業にとって不可欠な経営戦略と言えるでしょう。