知っておきたい白血病の基礎知識

知っておきたい白血病の基礎知識

白血病とは

– 白血病とは 白血病は、血液に含まれる細胞ががん化する病気です。私たちの血液には、酸素を運ぶ赤血球、細菌やウイルスから体を守る白血球、出血を止める血小板など、それぞれ重要な役割を持つ細胞が存在します。白血病は、これらのうち白血球を作る造血細胞ががん化してしまうことで起こります。 通常、健康な状態では、血液細胞は決められた寿命を終えると骨髄で新しい細胞が作られ、古い細胞と入れ替わることで一定の数が保たれています。しかし、白血病になると、がん化した白血球が骨髄の中で際限なく増殖してしまいます。その結果、骨髄はこれらの異常な白血球でいっぱいになり、正常な赤血球、白血球、血小板が作られにくくなってしまいます。 白血病は、がん化する白血球の種類や病気の進行速度によって、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病などに分類されます。それぞれのタイプによって症状や治療法が異なるため、正確な診断と適切な治療が重要となります。

白血病の種類

– 白血病の種類 白血病は血液のがんのひとつで、血液細胞の元となる造血幹細胞ががん化し、骨髄の中で異常な白血球が増殖することで発症します。この白血病は、大きく分けて「急性白血病」と「慢性白血病」の二つに分類されます。 急性白血病は、白血球が未熟な段階でがん化し、骨髄の中で急速に増殖するのが特徴です。そのため、正常な血液細胞が作られなくなり、貧血や出血、感染症などを引き起こします。進行も早く、適切な治療を行わなければ、数週間から数ヶ月で命に関わることもあります。 一方、慢性白血病は、白血球が成熟に近い段階でがん化するため、健康な白血球も作られます。そのため、初期には自覚症状が現れにくいという特徴があります。進行も比較的ゆっくりで、数年から十数年にわたって経過することも少なくありません。 さらに、白血病は、がん化した白血球の種類によって、「リンパ性白血病」と「骨髄性白血病」の二つに分けられます。リンパ球ががん化するものをリンパ性白血病、それ以外の顆粒球や単球などががん化するものを骨髄性白血病と呼びます。 このように、白血病にはいくつかの種類があり、それぞれ症状や進行度、治療法が異なります。そのため、白血病と診断された場合は、どの種類に該当するのかを医師に確認することが重要です。そして、それぞれの病状に合わせた適切な治療を受けることが大切です。

白血病の症状

– 白血病の症状 白血病は血液のがんであり、その症状は患者さん一人ひとり、そして白血病の種類や進行度によって大きく異なります。しかし、いくつかの共通する症状が見られることが多く、早期発見のために知っておくことが重要です。 代表的な症状として、まず挙げられるのは貧血です。白血病では、正常な血液細胞が減少する一方で、白血病細胞が増加します。このため、体中に酸素を運ぶ役割を持つ赤血球が減少し、貧血を引き起こします。動悸や息切れ、顔面蒼白、全身倦怠感などの症状が現れます。 また、発熱も白血病の初期症状としてよくみられます。これは、白血病細胞が増殖する際に発熱物質が放出されるためと考えられています。風邪のような症状を伴うこともありますが、なかなか熱が下がらない場合は注意が必要です。 さらに、血が止まりにくくなる、いわゆる出血傾向も特徴の一つです。血液を凝固させる役割を持つ血小板が減少することで、鼻血が出やすくなったり、歯茎から出血したり、あざができやすくなったりします。 その他にも、免疫力の低下により肺炎などの感染症にかかりやすくなる、リンパ節の腫れ、骨や関節の痛み、体重減少などの症状が現れることもあります。これらの症状は、白血病以外にも様々な病気が原因で起こる可能性があります。しかし、症状が長引く場合や気になる場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、医師の診察を受けることが大切です。

白血病の治療

白血病は、血液のがんであり、その治療は、白血病の種類、病気の進行具合、患者さんの年齢や体力などによって異なります。主な治療法としては、抗がん剤治療、造血幹細胞移植、放射線治療などがあります。 抗がん剤治療は、がん細胞を攻撃して増殖を抑えることを目的とした治療法です。飲み薬と点滴がありますが、多くの場合、入院して集中的に点滴治療を行います。副作用として、吐き気や脱毛、免疫力低下などがみられることがあります。 造血幹細胞移植は、骨髄移植とも呼ばれ、健康な人から提供された造血幹細胞を患者さんの体内に移植する治療法です。造血幹細胞は、血液を作るもととなる細胞で、移植によって、白血病で破壊された血液を作る機能を回復させることを目指します。移植の前に、患者さんは大量の抗がん剤や放射線治療を受けて、体内の白血病細胞を減らす準備を行います。 放射線治療は、放射線を照射してがん細胞を破壊する治療法です。体外から照射する方法と、体内に放射性物質を埋め込む方法があります。白血病に対しては、主に造血幹細胞移植の前処置として行われます。 近年では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、新しい治療法の開発も進んでいます。分子標的薬は、がん細胞に特有の分子を狙って攻撃する薬で、正常な細胞への影響を抑えながら、がん細胞を効果的に攻撃することができます。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫の働きを抑制するブレーキを解除することで、免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすくする薬です。これらの新しい治療法は、従来の治療法では効果が得られなかった患者さんや、再発した患者さんなどに対しても有効な場合があります。

白血病の予防

{残念ながら、白血病を防ぐことができる方法がないのが現状です。白血病を引き起こす原因は複雑で、まだすべてが解明されたわけではありません。しかし、発症の危険性を高める可能性のある要因はいくつか知られています。 その一つが喫煙です。煙草に含まれる有害物質は、血液細胞の遺伝子を傷つけ、正常な細胞を白血病細胞に変えてしまう可能性があります。 また、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を心がけることも大切です。健康的な生活は、免疫力を高め、病気に対する抵抗力を高めるために重要です。免疫力は、体内に侵入したウイルスや細菌、異常な細胞などを攻撃し、排除する働きがあります。 さらに、定期的な健康診断を受け、早期発見、早期治療に努めることも大切です。白血病は初期段階では自覚症状が現れにくい病気ですが、早期に発見し、適切な治療を開始することで、治癒の可能性が高まります。